〜ゆうゆう隊の山便り〜


雄大な展望が広がる八ヶ岳南部の山へ

19 編笠山




八ヶ岳連峰の最南端に位置し、山名の通り編笠を伏せたように丸みを帯びた山容を見

せてどっしりと横たわっている。山頂からの展望は抜群で、間近に南八ヶ岳の峰々を

はじめ、富士山、奥秩父、南、中央、北アルプスを爽快に見渡すことができる。対峙

する権現岳との広々とした鞍部には青年小屋が立っており、八ヶ岳の南端に位置する

ため、静かな山の夜を過ごせる魅力ある山小屋である。編笠山とは対照的に峻嶮な山

容を見せてそびえる権現岳は、その険しい山容とは裏腹に、八ヶ岳有数のお花畑を育

み、夏は色とりどりの高山植物が咲き競う。権現岳からキレットを隔てて対峙する赤

岳までの縦走も可能だが、険しい岩稜のため歩行には十分注意が必要だ。


 




概     要

    日時  
    2011年6月4日土曜日〜5日日曜日 テント1泊  天候:4日/晴れ 5日/曇り  
     
    所在地   
    山梨県北杜市・長野県諏訪郡富士見町

    山名・山域 
    編笠山(あみかさやま) 標高:2523.72m 

    山梨百名山 山域:八ヶ岳連峰  
       

    位置
     

    北緯35度56分30秒 東経138度20分42秒 二等三角点

    参考コース 
    観音平⇒雲海⇒押手川⇒青年小屋⇒山頂往復⇒押手川⇒雲海⇒観音平 平均歩行時間6時間

    コースタイム 

    1日目
    観音平6:08→ 雲海8:09→ 押手川8:09→ 青年小屋小屋9:45→ テント設営 青年小屋13:10→ 

    編笠山山頂13:50→ 休憩14:32→ 青年小屋14:55→ テント泊

    2日目
    起床7:30→ 下山開始10:18→ 押手川11:20→ 雲海12:05→ 紅葉台12:26→ 観音平12:53
     
    体力度 


    ★★★☆☆   ※あくまでも個人的な主観です。
     

    技術度 
    ★☆☆☆☆  ※あくまでも個人的な主観です。
     
    最大標高差 
    約962m

    歩行時間 
    1日目:観音平〜青年小屋 約3時間53分(休憩含む) 編笠山山頂往復 約1時間03分(休憩含まない)

    2日目:青年小屋〜観音平 約2時間31分(休憩含む)
     
    歩行距離 
    約8.9km
     


    コースマップ(再生ボタンで動きます)






    山域アクセス


    公共交通
     

    JR中央本線小淵沢駅⇒タクシー約20分⇒観音平

    ※観音平へは、バス路線がないため往復ともタクシーを利用することになる。


    マイカー
     

    中央道小淵沢ICから八ヶ岳高原ライン経由で約8km

    観音平に無料駐車場有


    ふるさと情報
     

    北杜市HP

    北杜市観光協会HP

    八峰苑鹿の湯





    山小屋情報

    ※観音平グリーンロッジは、平成22年4月より閉鎖、現在は解体され更地になっています。



    青年小屋
     

    4月下旬〜11月上旬営業 収容150名 テント場20張 水場あり  

    пF0551-36-2251


    権現小屋
     

    4月下旬〜11月上旬営業 収容50名 水場なし

    пF0551-36-2251


    キレット小屋
     

    7月中旬〜10月中旬営業(不定休あり)


    HP:http://www.yatsu-honzawaonsen.com/kiretto.htm



    ※当サイトの情報は、あくまでも管理者の見解・情報ですので参考程度にご覧ください。

    山小屋を利用するに当たっては、必ず事前予約、連絡確認をしてください。






    山行レポート


    登山を初めて約1年、かねてからの夢であったテント泊を決行する日がやってきた。

    山の楽しみ方はいろいろあると思うが、衣・食・住全部を背負い、自分の足で山の

    自然に触れることができるテント泊は、何と言っても魅力的である。この日のために

    これまで歩荷訓練もしてきたが、慣れない重さはさすがにズシッとくる。その重さに

    喘ぎながら、キャンプ地青年小屋を目指し、初日に編笠登頂、翌日権現岳登頂の

    プランで、朝日に燃える南アルプスに見送られ観音平を後にした。






    6月4日 1日目

    観音平より青年小屋〜編笠山登頂



    観音平からは甲斐駒、北岳が朝日を受け見えていた





    南アルプスに見送られ、いざ出発!
    (マウスを重ねると写真が出ます)観音平
    ここは棒道と共に武田信玄ゆかりの地で、信州大門峠の合戦に向かう折、矢の堂に戦勝祈願したところ見事勝利をおさめ、これを機に矢の観音を観音平に移し祀り、これ以来、信玄は信濃攻略の度に観音平に立ち寄り戦勝を祈願したという。





    木漏れ日あふれるすがすがしい登山道

    花を観ながら緩やかに登っていく





    標高1880mの雲海到着






    雲海からは手前には茅ヶ岳、そして雲に浮かぶ富士山の絶景が広がる
    (マウスを重ねると富士山の拡大写真が出ます)言わずと知れた
    国内最高峰富士山






    しばらくはなだらかな斜面が続くが

    岩が点在し始めると登りもきつくなってくる





    押手川到着、山頂直登と青年小屋への分岐点
    (マウスを重ねると写真が出ます)
    迷わず青年小屋へ
     





    青年小屋への東面の巻き道

    重いザックを背負っては険しい道のり






    振り向くと南アルプスの展望が広がり、思わず歓喜の声が出る
    (マウスを重ねると北岳拡大写真が出ます) 国内第2位の標高
    3193mの北岳

     






    標高2280m地点、青年小屋まで後20分
    (マウスを重ねると写真が出ます)編笠山の山容が
    やっと姿を出す
     





    標高2380mの遠い飲み屋に到着
    (マウスを重ねると写真が出ます)
     
     

    青年小屋でテント泊の受付






    青年小屋から見る富士山 






    広く平坦なテン場

    現在休業中で避難小屋として開放
    (マウスを重ねると写真が出ます) 水場はテン場より4分ほどの所に「乙女の水」が
    あり、水量は豊富。

     





    編笠山登頂開始

    取付きは岩場の登山道





    ひと登りすると眼下には青年小屋とテン場




    権現岳の展望が広がる





    残雪を超えれば山頂は間近





    標高2524m 編笠山山頂到着
    (マウスを重ねると写真が出ます)恒例の三角点タッチ 





    山頂から望む展望




    八ヶ岳主要峰すべて見渡せる



    南アルプスと富士山を同時に眺められる展望





    裾野から立ち上がる、南アルプスを眺めての休息





    ギボシの奥に消えゆく赤岳を見送り

    青年小屋を眼下に下山





    乙女の水で顔を洗い、楽しみな夕食の時間
    (マウスを重ねると写真が出ます)  

    制約がない贅沢な時間






    赤く暮れゆく空

    明日の権現岳登頂が楽しみだ






    澄み切った空にマジックアワーが広がる
    (マウスを重ねると写真が出ます) 青年小屋からの夕刻
     








    6月5日 2日目

    AM6:00

    強風に加え、ガスも濃く湧きだしているため、権現岳登頂を見合わせ天候回復を祈る。


    前日の天気が嘘のようにガスで視界不良

    風も強く権現岳は姿を現さない



    AM7:30 以前天候は変わらず、大事をとり権現岳登頂断念を決定する。




    編笠山に別れを告げテン場を後にした 




    下山時には姿を見せた権現岳

    次回登頂を誓い、巻き道へ針路を取る





    雲海分岐から富士見台へと進む

    富士見台からは散策遊歩道となっている




    千畳岩の看板が朽ち果てていた
    (マウスを重ねると写真が出ます) 千畳岩全景
     




    矢の堂跡地
    (マウスを重ねると説明文が出ます) 伝承によると甲斐源氏の祖となった新羅三郎義光が、三井寺(滋賀県大津市)から空海が自ら彫り込んだ生観世音菩薩(矢の観音)を安置したのが始まりと伝えらている。観音平は甲斐源氏の聖地として信仰の対象となり武田信玄も出陣の際、度々戦勝祈願に訪れている。武田氏が滅ぶと衰退し荒廃しましたが安永10年(1781)に現在地小淵沢町に移され地域の住民達に守られ続けられている

    更地となったグリーンロッジ跡




    観音平へ無事帰還







    観音平駐車場に向かう途中、延命水があり、帰路立ち寄ってみた。


    観音平から少し下った場所にある延命水
    (マウスを重ねると説明文が出ます) 甲斐の武将、武田信玄が信濃出陣の際にこの地を訪れ、体力を回復させたとの逸話が残る。延命水は岩の間から水が現在も湧き出ており、この水を飲むと長寿の効果があるといわれている。  

    ボトルに入れ持ち帰った





    これまでオートキャンプは何度となく経験し、それなりに楽しめていたと思う

    が、山中でしかも限られた装備でのテント泊は、期待と不安が入り混じった

    山行だった。決行前日まで雲取山か尾瀬かだいぶ迷ったが、編笠山にし

    て正解であった。程々の距離と高低差、岩場も混じる登山道を衣食住の全

    てを背負って山行するという感覚を身に着けたと思うからだ。初日は天候に

    恵まれ、南アルプス・富士山と素晴らしい展望を満喫できたが、翌日予定し

    ていた権現岳登頂が出来なかったことは残念であった。しかし今回の目的は

    テント泊が第一であり、多少なりともリスクを冒してまでの登頂を断念したこと

    は、正しい判断だったと思っている。このテント泊山行は、本当に素晴らしい

    ものであったし、ゆうゆう隊にとってこれからの山行の幅が大いに広がる第一

    歩であり、とても充実した登山だった。









    編笠山の詳しいレポートは、ゆうゆうブログ「好き勝手な趣味の時間」に掲載!

        

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