〜ゆうゆう隊の山便り〜


安房の鋭い岩峰から里見八犬伝舞台の美しい双耳峰へ

14 伊予ヶ岳〜富山




伊予ヶ岳は鋭い岩峰の山で、「安房の妙義山」とも呼ばれ、房総では珍しく「岳」が付いた山である。

登山道から山頂までは短時間で登れるため、広い年齢層に親しまれており、高度感あふれる山頂か

らは双耳峰の富山(とみさん)をはじめ、房総の山々や東京湾から富士山まで素晴らしい光景が広が

る。伊予ヶ岳から一際目につく富山(とみさん)は、美しい双耳峰で、「南総里見八犬伝」の舞台として

も知られ、標高わずか400mに満たない山であるが、北峰からの東京湾や房総の山並み、大島などの

展望が楽しめる。また、冬から春にかけて山麓にはスイセンや菜の花が彩り、低山とは思えないほど味

わい深い名山だ。





概     要

日時  
2011年1月4日火曜日 日帰り  天候:晴れ  気温:6℃
 
所在地   
千葉県南房総市

山名・山域 

伊予ヶ岳(いよがたけ)
標高:336.6m(北峰) 二等三角点 

富山(とみさん) 
標高:(北峰・金毘羅峰)349.5m 三等三角点  (南峰・観音峰)342.0m 
   
山域:房総丘陵

位置
 


伊予ヶ岳
北緯35度06分26秒 東経139度54分50秒 

富山
北緯35度05分56秒 東経139度52分53秒(北峰)
  
参考コース 

伊予ヶ岳
天神社駐車場⇒展望台⇒伊予ヶ岳南峰⇒北峰⇒(往復) 平均時間1時間15分

(伊予ヶ岳山腹より富山への分岐があり、徒歩で向かうことも可能)

富山
市営駐車場⇒福満寺登山口⇒南峰⇒北峰⇒あずまや⇒伏姫籠窟⇒市営駐車場 平均時間3時間40分


コースタイム 

伊予ヶ岳
天神社駐車場9:18→ 展望台9:46→ 伊予ヶ岳南峰9:55→ 北峰10:07→ 天神社駐車場10:48


(天神社より、車で富山市営駐車場へ移動)

富山
市営駐車場11:20→ 福満寺11:38→ 南峰12:34→ 北峰12:51→ ランチ14:00→ 伏姫籠窟14:48

→市営駐車場15:16

体力度 


★☆☆☆☆   ※あくまでも個人的な主観です。
 

技術度 
★☆☆☆☆  ※あくまでも個人的な主観です。
 
累計標高差 
伊予ヶ岳:約313m

富山:約340m
 
歩行時間 
伊予ヶ岳
約1時間30分(休息含む)

富山
約3時間56分(休憩含む)
 
歩行距離 
伊予ヶ岳:約2.5km

富山:約9km
 


コースマップ


より大きな地図で 伊予ヶ岳〜富山 を表示

山域アクセス



公共交通
 

伊予ヶ岳
JR内房線岩井駅⇒南房総市営バス16分⇒天神郷バス停

富山
JR内房線岩井駅⇒福満時まで徒歩60分 またはタクシー10分

(伊予ヶ岳より富山を抜け、岩井駅まで徒歩も可能。およそ3時間20分)


マイカー
 

伊予ヶ岳
富津館山道路鋸南富山ICから天神郷まで約15km フェリーのアクセスも可能
天神社登山者用無料駐車場あり 

富山
富津館山鋸南富山ICから県道258号経由で約5km 
南房総市営無料駐車場あり


ふるさと情報
 


南房総市HP



※当サイトの情報は、あくまでも管理者の見解・情報ですので参考程度にご覧ください。





山行レポート

2011年初の登山は、県民として一度は足を運ぼうと考えていた千葉の名山伊予ヶ岳と富山。

標高300m前後の超低山ばかりで、地理学上でも丘陵に位置づけられるが、個性があり思いの

ほか楽しい山だという。また、温暖な地域の房総半島は、1月にはスイセンや菜の花が早くも咲

き、一足早く春を感じられる。今回は、これからのテント泊に向けた訓練も兼ね、大型ザックにそ

こそこの重量を背負っての山行を計画。まずは、手ぶらで足慣らしに伊予ヶ岳へと向かった。



 

山麓から望む伊予ヶ岳、岩陵が登攀意欲をそそる


伊予ヶ岳

富山・御殿山とともに富山三山の一つ。

山名は、阿波斎部氏の故郷、四国の石鎚山・別名「伊予の大岳」から

でていて山頂の小平坦地には小彦名命を祀る石碑が安置されている。



天神社の奥に伊予ヶ岳

平群小学校裏が登山口



平群天神社

菅原道真を祀った学問の神社で、室町時代の文和2年(1353年)細川相模守が悪霊により

京都北天神をこの地に勧請し、平群九邑の鎮守として信仰を集めた古くから由緒ある神社。




のどかな畑を抜けると竹林の道へ 

竹林から里山の登山道




山腹展望台から富山、集落を望む



展望台から岩交じりの急登になる



ほぼ直登する急斜面

3点支持の学習にちょうどいい 





わずか35分ほどで南峰へ

鋭い岩峰はクサリに囲まれている




南峰から富山、富士山を望む




南峰から北峰を望む

尾根道を北峰に向け進む





狭い山頂には2等三角点

北峰より鋭い南峰を望む




北峰から望む東京湾と富士山






懐かしさを覚える山麓の風景 

ちょっとした岩登りが楽しかった伊予ヶ岳




富山へ向かう道には、多くのスイセンが咲いていた





市営駐車場より福満寺を目指す

トイレ休憩し、重い荷物に備える






落ち葉が一面敷き詰められた広い登山道

〜合目の石標を目印に樹林帯を登る



色付いた木々と沢山のスイセンが斜面を埋めていた





整備された長い階段 

距離は短いが結構しんどい




仁王門跡前に鎮座する一際大きな杉の木




石段を上り南峰下の観音堂へ

富山観音寺には観音堂だけがひっそりと残っていた 


富山観音寺

現在は山麓の福満寺に還され仁王門跡と観音堂のみ残るが

この寺は8世紀ごろ開かれたと伝えられ、雨乞いに登拝する習慣があったという。




南峰は展望がなく、北峰を目指す

あずまや分岐、山頂はあとわずかだ






樹齢300年のボタンスギは縁結びの木

最後の階段登り




樹林に囲まれた南峰山頂

伊予ヶ岳を望む


富山

富山町(とみやま)にある山だが、富山(とみさん)といい、富山観音寺は(ふさん)と言われたようで

それぞれ意味合いが微妙にちがうらしい。一説によると、安房を開拓した天富命が逝去された山で

天富山と呼ばれていたが、いつしか富山となったという。町名がそのまま山の名前となった珍しい山でもある。





山頂広場は公園のように整備が行き届いている

展望台から東京湾を眺める





展望台からの東京湾






北峰は樹林に囲まれ、電波塔が建っている




広いテーブルでのランチ

心地よい風が気持ち良くご飯がうまい





里見八犬伝終焉の地は「あずまや」と言われている 

急斜面の階段を一気に下る


「南総里見八犬伝」

奈江戸時代後期、曲亭馬琴によって著された読本で、文化11年(1814年)に刊行

28年の歳月をかけ天保13年(1842年)全98巻、106冊の大作であり、室町時代後期

を舞台に、阿波国里家の姫・伏姫と神犬八房の因縁によって結ばれた八人の若者

八犬士を主人公とする長編伝奇小説である。






林道にでれば後はのんびりと歩いてゆく

いたるところにスイセンの群落がみられる 




伏姫籠窟到着

よく整備された階段を上る 



文字にマウスを当てると、説明が出ます

伏姫籠穴   

伏姫と八房の終焉   

伏姫と八犬士   




この地より数珠が八の珠となり遠くへ飛んで行ったという




伏姫が身を潜めていた籠窟

ゲートに施錠してあった

 

山麓には一面のスイセンが乱舞していた




千葉には登れる山がない 。とよく言われるが、どうしてどうして、小粒ではあるが魅力のある名山が点在

しているではないか。1月とは思えない気候の中で、スイセンが咲き乱れる山は、一足先に春の訪れを

感じることができるし誰もが知っている「里見八犬伝」ゆかりの山であり、その舞台を歩く楽しさ、そして東

京湾越しに見る富士山短い距離ではあるが、岳の名称を与えられた伊予ヶ岳は、岩登りも楽しむことがで

きる。ただし、晩秋から早春にかけてしか登れないが、ハイキング気分で簡単に展望を楽しめる絶好の山

ではないだろうか。








伊予ヶ岳〜富山の詳しいレポートは、ゆうゆうブログ「好き勝手な趣味の時間」に掲載!

    

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